特定活動 在留資格
特定活動は、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」を行うための在留資格です(入管法別表一の5)。
活動の内容は、パスポートに貼付される「指定書」で個別に指定されます。したがって、在留資格の名称だけでは、その方に許されている活動の内容がまったくわからないという特殊な在留資格です。
それだけに、他のわかりやすい在留資格と違って、素人判断で申請をされると、往々にして不許可になりやすい在留資格ともいわれています。
この記事では、東京のビザ専門行政書士が在留資格「特定活動」についてわかりやすく解説します。
在留資格「特定活動」申請のポイント
① 入管の審査官が疑問に思う点を先回りして立証
特定活動は、ワーキングホリデーから、EPAの介護福祉士候補者、難民申請中のかたから出国準備中のかたまで、非常に多様な活動類型の受け皿として活用されています。外国人の同性婚配偶者も特定活動の在留資格で受け入れています。
「特定活動」とひと口には言い表すことができないほど多様性をもっているので、
したがって、それぞれの活動類型ごとに、入管がきちんと説明をして欲しいポイントはまったく異なることとなります。
入管がアナウンスしている在留資格申請の必要書類は、申請の受付に必要な最低限の書面を列挙しているに過ぎません。
したがって、これらの書面を漫然と提出するのではなくて、法律、入管内部の通達で要求されている各種要件を満たしていることを、提出書類できちんと立証することができているかどうかを確認しましょう。
② 入管内部の通達や内規に沿った申請をする
在留資格の審査をする入管担当者は、フリーハンドで審査をしているわけではありません。法律はもちろんのこと、入管内部の通達や、内規にそって判断を下しています。これらが要求する条件を、きちんと書面で立証することが最大のポイントとなります。
③ インターネット上の情報を鵜呑みにしない
インターネット上には、ビザ申請のプロの目から見ると、誤った情報が氾濫しています。グーグルは記事の正誤判断をする能力をまだ獲得していないため、検索結果の上位にある情報でも、うっかり信じてしまうと取り返しのつかないことになるようなものもあります。
インターネット上の情報は、正体が不明で玉石混交です。経験豊富なビザ専門の行政書士を利用しましょう。
在留資格「特定活動」の具体例
在留資格「特定活動」①
外交官や領事官等の家事使用人(個人的使用人)としての活動
在留資格「特定活動」②
アマチュアスポーツ選手に関する次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合
(1) アマチュアスポーツ選手としての活動を希望する場合
(2) アマチュアスポーツ選手の家族の場合
在留資格「特定活動」③
外国の大学生が,次の(1)から(3)のいずれかを希望する場合
(1) インターンシップ(学業等の一環として,我が国の企業等において実習を行う活動)を希望する場合
(2) サマージョブ(学業の遂行及び将来の就業に資するものとして,夏季休暇等の期間(3月を超えない期間)を利用して我が国の企業等の業務に従事する活動)を希望する場合
(3) 国際文化交流(大学の授業が行われない3月を超えない期間,我が国の地方公共団体が実施する国際文化交流事業に参加し,日本の小中学校等において国際文化交流に係る講義を行う活動)を希望する場合
在留資格「特定活動」④
特定研究活動(本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の施設において当該特定の分野に関する研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該特定の分野に関する研究,研究の指導若しくは教育と関連する事業を自ら経営する活動)を希望する場合
在留資格「特定活動」⑤
特定情報処理活動(本邦の公私の機関との契約に基づいて当該機関の事業所において自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する情報処理に係る業務に従事する活動)を希望する場合
在留資格「特定活動」⑥
「特定研究等活動(上記5の場合)」又は「特定情報処理活動(上記6の場合)」を行う外国人の方の扶養を受ける配偶者又は子である場合
在留資格「特定活動」⑦
EPA看護師候補者からEPA看護師又はEPA介護福祉士候補者(就労コース含む)からEPA介護福祉士への変更を希望する者,若しくは就労先を変更した上で継続して在留を希望する場合
在留資格「特定活動」⑧
EPA介護福祉士候補者(就学コース)からEPA介護福祉士への変更を希望する者,若しくは就労先を変更した上で継続して在留を希望する場合
在留資格「特定活動」⑨
大学等を卒業した留学生が,卒業後,「就職活動」を行うことを希望する場合
在留資格「特定活動」⑩
外国人の方が,次の(1 )又は(2 )のいずれかの活動を希望する場合
(1)病院等に入院して医療を受ける活動を希望する場合
(2)病院等に入院して医療を受ける外国人の方の付添人となることを希望する場合
在留資格「特定活動」⑪
大学等を卒業した留学生が,卒業後,「起業活動」を行うことを希望する場合